「イスラム国」の戦闘員で最も残虐な行為をするのは、イラク、シリア出身者ではなく外国から参加したメンバーだと言う。その理由を考えると、外国から戦闘員になって参加している人たちは、自国の格差・貧困・差別の中で持って行き場のない不満、やり場のない怒りを抱え込んでいた違いありません。そのやり場のない不満・怒りを晴らすことが罰せられることなくやりたい放題に実行可能な場所であると思われたイスラム国に参加したのではないでしょうか。2月2日の「しんぶん赤旗」で東京外語大の青山博之教授が「外国人戦闘員の参加阻止を」と題した意見を、「イスラム国」とイスラム教徒を安易に結びつける前に、大量の戦闘員を輩出している欧州社会などで、イスラム教徒をめぐった、どんな社会的、政治的問題があるのかを考えて見みる必要があります」と結んでいます。その問題とは世界中に広がっている格差・貧困・差別を主要な内容としているのではないかと考えます。各国指導者は、「イスラム国」のテロに対して、武力的な対応と同時に、自国が戦闘員を生み出している政治、社会、経済的問題の解決にも十分な取り組みをすべきだと考えます。日本にも「イスラム国」戦闘員を志した人がいたと報じられましたが、わが国も例外ではないと考えなければなりません。テロリストの入国を許さないと同時に、テロリストを生みださない、グローバルな格差・貧困・差別拡大をなくす政治の実現が必要だと考えます。